ドローン空撮が一般的に普及し、さまざまなシーンで空撮映像を目にすることが多くなりました。空撮映像の圧倒的なインパクトは見る側の心に感動を与えます。空撮映像の需要は益々増加し空撮を行う業者の数も一気に増加しています。そこで問題なのはその空撮価格が業者によって異なり、その価格に含まれる内容も各社バラバラというところです。
基本料金が一見安く感じても、それに含まれない事項があったり条件が違うという事もあり、詳しく比較をしないとわかりにくいというのが現状です。そこで、料金構成の仕組みと数社の空撮料金の一覧を作成してみました。空撮を依頼したいが料金相場がよくわからないといったお悩みの際ご参考ください。
1. 一般的なドローン撮影料金の構成
1-1.基本料金
一般的に基本料金の設定をしている業者さんが多いです。基本料金にはドローン操縦及び空撮のできるオペレーター1名の人件費と撮影料金が含まれる場合が多いです。また、ほとんどの場合フライト時間や撮影カット数の制限があります。撮影料金の構成は大きく分けて写真撮影料金とビデオ撮影料金に分かれます。
1-1-1. 写真撮影料金
ドローン空撮写真撮影はDJI社のPhantomシリーズやMavicシリーズのようにドローン本体に専用で付いているカメラで撮影する場合とのInspire2シリーズのように1眼レフカメラを搭載して行う場合がありそのカメラの性能によりオプション価格設定がされています。
1-1-2 .ビデオ撮影料金
ドローン空撮ビデオ撮影も写真撮影同様にDIJ社のPhantomシリーズInspire1シリーズのように専用カメラで撮影する場合と大型機を使用し1眼レフカメラを搭載して行う場合があります。さらにフルハイビジョン撮影や4K撮影など撮影解像度によりオプション価格設定が異なります。
1-2 .オプション料金
基本料金に含まれない内容がオプション設定されています。何が基本料金に含まれて何がオプション扱いかは業者により異なりますのでこの点はよく注意する必要があります。
1-2-1. ドローン機種選択
ドローンの機種により料金が変わる場合があります。4K撮影や特殊なカメラの装着のできる機種や1眼レフなど重量のあるカメラを搭載できる大型機を選択する場合は別途料金が必要です。
1-2-2 . カメラ選択
先に書いたドローンの機種にも関係しますが、搭載するカメラの性能により料金が変わる場合があります。
1-2-3 . オペレーター数
DJI社のInspire2のようにドローン機体の操縦操作とカメラのアングル操作をそれぞれ別々のオペレーターが行える機種では2名のオペレーターが必要になる場合があります。その場合追加1名分のオペレーター料金がかかる場合があります。
1-3 . その他必要な料金
基本料金とオプション料金に含まれていない場合のある料金があります。
このその他必要な料金も業者により基本料金に条件付きで含まれる場合や全く含まれない場合がありますので各業者の価格表をよく確認する必要があります。
ここではその他必要になる場合が多い費用をあげてみました。
1-3-1 . 交通費
交通費はドローン空撮を行う場所までの移動交通費のことです。中には業者の住所から○○kmまでは基本料金に含まれますというような場合もあります。
1-3-2 . ロケハン費用
ロケハン費用とは空撮を行う場所の下見が必要な場合で、そのロケーションが遠方の場合にその交通費と人件費が別途必要になる場合です。
1-3-3 . 再撮料金
再撮料金とはドローン空撮当日の急な天候不順などで撮影続行が不可能な場合に発生する場合があります。業者により「天候不順による再撮○回までは再撮料金を頂きません」というところもあります。
1-3-4 . キャンセル料金
撮影自体のキャンセルをクライアント様が行う場合に、そのご連絡いただける日が本番日の何日前かによりキャンセル料が発生する場合があります。日にちの設定は業者により異なります。
1-3-5 . 国交省への許可申請事務手数料
この項目は基本料金に含んでいる場合もありますが、飛行禁止エリアを飛行させる場合に国交省への飛行許可申請を行う際の事務手数料を必要とするところもあります。飛行許可の申請方法は『サルでもできる!ドローンの許可を取得する3ステップ』を参考にしてください。
1-3-6 . 賠償責任保険料
賠償責任保険も基本料金に含む場合が多いですが、例えばドローン空撮する際にとても高価なものを傷つけたり破壊したり、周りの人や物件に多く被害が及ぶ可能性がある場合に、加入している保険では万が一の際まかないきれない事が想定される場合に別途保険を掛ける時になどに発生することがあります。
ドローン保険への加入は『最適な保険を選ぶために7つのドローン保険を網羅。7つの保険の特徴と加入方法。』を参考にしてください。
1-3-7 . 動画編集料金
撮影したドローン空撮素材を編集して1本のムービーに仕上げる等の作業費用です。業者により動画編集はせず素材渡しだけの場合もあります。
2 .ドローン撮影料金表示例
2-1. A社
基本料金130,000円(税別)
基本料金(ビデオ撮影)に含まれるもの(撮影箇所は1カ所)
ドローン本体 DJI INSPIRE1
空撮に必要な周辺機材一式
1フライト約15分
同一場所で5フライトまで含む
その他必要な料金
現場までの交通費が別途必要になります。
オプション料金
追加フライト/1回 5,000円
予備日確保料金/1日 30,000円
ロケハン料金/1日 20,000円
ロケハン撮影/1日 130,000円
時間外撮影/1日 30,000円(AM9:00~日没以外)
※いずれも税別料金です
2-2. B社
基本料金 300,000円
基本料金(ビデオ撮影)に含まれるもの
ドローン本体 デジタルシネマコプター(大型機)
カメラ Canon EOS 5DMark3
オペレーター 1名
予備ドローン本体及び送信機・カメラ・ジンバル・バッテリーは予備を準備
映像チェック用モニター
バッテリー用ジェネレーター
機材運搬車
その他必要な料金
現場までの交通費が別途必要になります。
オプション料金
セフティマネージャー 30,000円
ロケハン 35,000円
リハーサルフライト 150,000円
再撮料(予備日撮影) 100% 予備日を前日キャンセル 50%
キャンセル料金
3日前 お見積もり料金の50%
前日 お見積もり料金の80%
撮影当日 お見積もり料金の100%
※いずれも税別料金です
2-3. C社
基本料金
ビデオ空撮 60,000円
静止画の空撮 40,000円
基本料金に含まれるもの(ビデオ・静止画)
ドローン本体 Phantom3
カメラは Phantom3専用
空撮に必要な周辺機器一式
1フライト 10分以内 (メーカー標準バッテリー1本以内)
撮影パイロット1名と飛行区域安全管理担当の1名の計2名
撮影した動画または静止画の中から有効カット抽出を行い納品まで
基本はDVDまたはCDでの納品
保険はDJI賠償責任保険に加入済み 対人1億円 対物5千万円
経費
空撮基本料金と別に
交通費・車両費・燃料費が必要です。
案件ごとにお見積もりとなります。
オプション料金
ロケハン 20,000円+交通費
キャンセル料金
撮影日の5日前から前日までの予約キャンセルはお見積もり料金の50%
※いずれも税別料金です
2-4. D社
基本料金
ビデオ及び静止画撮影同額 80,000円
基本料金に含まれるもの(ビデオ・静止画)
ドローン本体 Phantom4
カメラはPhantom4専用
空撮に必要な周辺機器一式
オペレーター 1名
撮影日当日(現地調査・撮影内容打合せ)+1時間以内の撮影
交通費は100km圏内まで無料
納品メディアはDVDで納品
オプション料金
別日ロケハン料金+30分テストフライト 40,000円
再撮予備日指定料金 1日10,000円
当社より100km以上の移動交通費 片道50kmごとに10,000円
宿泊を伴う撮影 40,000円(税別)+宿泊費実費2名分
長時間撮影料金 撮影時間が1時間を超える場合は別途お見積もり
複数箇所撮影料金 原則2契約となりますがご相談ください
※いずれも税別料金です
2-5 . E社
基本料金
静止画撮影料金80,000円 (1フライト20枚まで)
ムービー撮影料金125,000円 (1フライト10分まで)
基本料金に含まれるもの
ドローン本体(静止画)自社オリジナル大型機
ドローン本体(ムービー) INSPIRE1Pro
予備機
空撮に必要な周辺機器一式
オペレーター(2名または3名)
静止画データはRAWデータ及びJPEGデータを含みます
損害賠償責任保険加入
各機体動産総合保険加入
業務災害総合保険加入
交通費
別途撮影場所までの交通費を請求させて頂きます
オプション料金
静止画撮影追加フライト ・・・・ 1フライトにつき20,000円
静止画半日撮影 ・・・・ ・・ ・ ・150,000円
ムービー撮影追加フライト ・・・ 1フライトにつき20,000円
ムービー撮影(4時間以内) ・・ 200,000円
ムービー撮影(8時間以内) ・・ 300,000円
キャンセル料
記載なし(問い合わせ対応)
※いずれも税別料金です
3.まとめ
ドローン撮影会社各社のドローン撮影料金の目安を見てみたところやはり基準が各社違い相場というものも存在していないようです。各社、価格を決める基準が使用する機体であったり、搭載しているカメラであったり、撮影に係る時間であったりと異なるために価格帯がバラバラになるのはやむを得ないところです。
ドローン撮影を依頼する側からの立場で考えれば、撮影する目的やロケーション、映像の最終的な使用形態を考慮して各社の価格表を参考に上で述べた価格構成の各項目を確認して最適な業者の選定を行うのがベストと言えるでしょう。ここで書いた価格構成やドローン撮影業者の価格体系を今後の業者選定の参考にしていただければと思います。
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